【レザーとは!?】
近年、さまざまなレザー(革)を使用したものが製品として見かけられますが、
一言にレザーと言っても牛以外に、羊・ヤギ・豚・蛇・トカゲ・ワニ・etc…種類も様々です。
すでに知っている方も、ご存じない方も、ご一緒に革製品について改めて知って頂くため、このページでご紹介致します。
【レザーの種類】
レザーの「呼び名」やその性質をご紹介いたします。
◆カウ・ハイド(Cow Hydro)
生後約2年の牝牛「メス」の皮。
厚くて丈夫なのが特徴(ステアより薄い)世の中の革製品に多い革。特徴は丈夫で厚い。
◆ブル・ハイド(Bull Hydro)
生後3年以上の去勢されていない牡牛「オス」の皮。
大型で厚く、キメも粗いので丈夫なので主に底革に使われています。
◆ステア・ハイド(Steering Hydro)
生後3~6カ月以内に去勢した去勢された牡牛「オス」が成牛(22kg以上)になった時の革。
最もよく使われ世間でよく見かける素材です。
◆キップスキン(Kip Skin)
生後6ヶ月~18ヶ月の中牛の皮。
カーフより少し厚手で カーフに次いで上質とされています。
◆カーフスキン(Calf Skin)
生後6ヶ月以内の仔牛の皮。
肌理細かく柔らかい為、牛革の中でもっとも上質とされています。
肌理の細かさが命なので、基本的に型押しはしません。仔牛皮とも呼ばれています。
◆ハラコ牛の胎児の毛皮
(漢字では腹子 英語では「Unborn Calf」)
不幸にも母牛のお腹の中で死んでしまった胎児です。そのため数が少なく、原皮も小さいので高価です。
この代用品として用いられるポニーの毛皮(胎児ではない)も便宜上ハラコと呼ばれることが多いのですが別物です。
また、毛の固さ等で判別が可能です。
◆馬皮(Horse Skin)
繊維組織は柔らかく、皮の表面はスムースです。
尻の部分または背の部分をタンニン鞣して染色した革の事を、コードバンと呼ばれ、美しい光沢感があります。
繊維が緻密なので丈夫で長持ちする、高級素材です。
◆鹿皮(Deer Skin)
非常に強靭で、特に引っ張りに対して強いです。
内側からは汗を通すけれど、外側からの湿気に強い特徴もあります。
◆羊皮(Sheep Skin)
薄く軽く柔らかい。
防寒材料として優れており、毛穴が小さくてキメが細かくソフトな感じです。
生後1年以内の子羊の革をラムスキンといいます。
◆山羊皮(Goat Skin)
繊維の充実度が高く、丈夫なのに感触がソフトです。
羊の革より硬いといわれていますが、そんなに硬くはありません。毛穴の形に特長があります。
子山羊の皮はキッドスキンといいます。
◆鹿皮(Deer Skin)
独特の肌触りが気持ち良く、仕上げの種類で手触りにも差があるそうです。
バックスキン(BUCK SKIN)は鹿のコトで裏革という意味のBACK SKINという言葉はありません。
◆豚皮(Pig Skin)
摩擦に強いブタの革。軽量で耐久性があり、通気性にも優れています。
良く見ると、皮の表面には3つずつの毛穴が開いているのが特徴です。
◆蛇革(Snake)
美しい鱗が特徴だが あまり丈夫ではなく、お手入れ方法が難しい革の一つです。
特にニシキヘビ(パイソン)が有名です。
◆蜥蜴皮(Lizard Skin)
丸斑模様のリング 縞斑のオーバルなど様々なものがあり、ジャワのリザードが有名とされています。
また リングマークトカゲ(リングトカゲ)は最も高級な革の一つです。
◆ワニ皮(Crocodile)
特徴ある高級素材で クロコダイル種とアリゲーター種があります。
クロコダイル(東南アジア産のイリエワニ)や アリゲーター カイマン等がポピュラーです。
また、部位では肚ワニと言うワニの腹部(べべクロコといわれる細かく均等なキレイなシボ:べべとは仏語で赤ちゃんの意)が高級とされていますが、
背ワニもワイルドで人気はあります。
鱗の模様によって玉符(柔らかめ)と竹符(硬め)があります。
◆エイ皮(Stinglei)
日本近海にもいるアカエイの革。
最近はガルーシャといわれることが多いようです。
おろし金のような粒が特徴で、ナイフが突き刺さらないとか…。
硬く、馴染みずらいのが特徴的です。
◆駝鳥(Ostrich)
ダチョウ革。
羽を抜いた跡が丸く突起しているのが特徴の高級素材です。
非常に丈夫で、布のように絞っても問題ない。使う程に馴染み、艶も出てくる。
天然モノは規制対象で、流通しているのは養殖モノが多いようです。
足の部分はオーストレッグ(Ostrich Reggu)と言います。
◆鮫皮(Shark Skin)
摩擦などに対しては強く、独特の表情をしている。
ざらざらと波打った質感が特徴的です。
◆象皮(Elephant)
ワシントン条約ということを世に知らしめた革とも言いえます。
希少価値が高く、あまりお目にかかることはありません。
肉厚で独特の表情を持っており、大変強い皮革です。
◆カンガルー(Kangaroo)
薄く丈夫でキメが細かく、馴染みやすい革です。
革業界の中ではカーフよりも高級とされていますが、知名度が低い為、一般にはよく知られていません。
さまざまな実用品として使われる革製品として、どの動物の革で、どういう仕上げが良いということは一概に言えません。 ウエスタンブーツのどの部分になんの革素材を使うかによっても最適なモノは違いますし、実用性やファクトリーの意図として、 敢えて表現したいものもあるでしょう。
【なめしの種類】
革製品をお持ちの方や本などを読むと「皮をなめして…」とよく耳にする事ですが、 「なめす」とは一体何なのかをご紹介いたします。
◆クロムなめし
合成剤(硫酸クロム 重クロ ム酸ナトリウム カリウム塩 クローム塩など)を用いた科学的製法による鞣し方で革製鞄では8割をしめるポピュラーななめし方です。
ソフトな風合いで 表面に青みがかった深い光沢があり、柔軟性、伸縮性に富み、また、摩擦にも強く耐久性があります。
但し、水を吸収すると乾燥に時間がかかります。
操作性と耐久性から多くの製品に使われています。
◆タンニンなめし
天然の植物(木樹の渋抽出した天然剤)を利用した製法で、手間はかかりますがが、
より自然な風合いが楽しめ使い込む程に独特の色に変化)使い込む程、柔らかくなる性質を持っています。
濡れても乾燥が早く、素材も伸びにくく、吸水性が良い為染料に良く染まります。
オーク、チェスナット等を使った植物なめし(Vegetable Tannage)の一種で鞣した革は黄褐色を帯びています。
◆混合(複合)なめし
2種類以上のなめし剤の特徴を生かし、用途毎になめしたもので、クロームなめしした後タンニンなめしをしたもので、
野球グローブ用のグローブレザーが例にあげられます。
コンビなめしともいい、逆にタンニンなめし後、クロームなめしすることを逆コンビとも言います。
クロームとタンニンの長所を生かした革を作ることができるのが特徴です。
◆アブラなめし
動物の油脂で皮を鞣す方法で、耐水性に強うなめし方です。
セーム革などがこれにあたり、洗濯も可能です。
◆オイルドレザー
動物油で皮を鞣す方法。
タンニンなめしする際にオイル分を多く含ませた革です。
◆アニリン加工
なめしではなく染色方法になります。
色落ちしやすいデリケートな染色ですが、革がへたりにくいという特徴があります。
大きく分けて上記6種類が今日では主流となっています。基本的な事ですが、レザーとはもともと動物の皮膚(皮)です。
動物から皮を剥ぎそのまま製品にすれば腐ってしまいます。そこで製品の用途により「皮をなめす」のです。
この加工を施すことにより腐らず、幅広い用途に使用できるようになり、「皮」から「革」へ変わるのです。
ようするに「皮」と「革」2つの呼び名の違いは「動物の皮をはいでなにも加工していないもの」を「皮」と言います。
その皮をなめした物を「革」と言います。
そしてこの加工の工程を「なめす」と言う。なめす事で、腐ったり、乾燥してニカワ状になることを防ぎ、長く使用できるようになるのです。
具体的には、タンニンやクローム塩などを浸透させて、コラーゲン繊維と結合させる化学処理のことです。
【ウエスタンブーツカンパニーとして】
一般論を中心に、現段階で正確と思われることを基準にまとめています。
これがすべてではありませんので、追記は随時してゆきます。また、こちらで表現しきれない部分は、ご購入前のご相談にもお答えします。
ご不明なことがございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
また、革製品というのは購入時は通過点に過ぎません。長年使ってこそ、その真価を発揮します。 経年変化を「味わいが出た」と感じる方も 「くたびれた」と感じる方もいらっしゃいます。
本来、革製品は永く使うためのものであり、実際に使用者により長持ちします。 飽きたと捨てずに末永くご愛用頂けるようお願致しいたします。